厚着しても寒いのはなぜ?その冷え、気合いではなく栄養不足が原因かも
- Sayuri

- 11月2日
- 読了時間: 4分

冬が近づくと、靴下を重ね履きしたり、生姜湯を飲んだり…
いわゆる「温活」に励む方が増えますね。
しかし、
「色々試しているのに、手足が氷のように冷たいまま」
「カイロが手放せない」と悩んでいませんか?
「冷えは体質だから仕方ない」
と諦めているとしたら、それはとても勿体無いことです。
分子栄養学の視点では、そのツラい「冷え」は体質の問題ではなく、
シンプルに「熱を生み出せない」「熱を運べない」という栄養不足のサインである可能性が非常に高いのです。
なぜ、体は熱を作れないのか?
私たちは食事からエネルギーを得て、体温を維持しています。
しかし、栄養が足りなければ、体は熱を作りたくても作れない「ガス欠」状態になってしまいます。
特に「冷え」に直結する、見落とされがちな3つの栄養素をご紹介します。
1. タンパク質不足(熱を作る工場が足りない)
体温を生み出す最大の器官は「筋肉」です。
筋肉量が少ないと、熱の生産量が減り、体が冷えやすくなります。
そして、その筋肉の主成分こそが「タンパク質」です。
ダイエット中などでサラダや春雨スープばかり食べていると、タンパク質が不足し、筋肉量が維持できません。
また、タンパク質は食事の際に「食事誘発性熱産生(DIT)」といって、それ自体が熱を生み出す効率が最も高い栄養素です。
お肉やお魚をしっかり食べていない方は、熱を生み出す工場そのものが稼働していない状態と言えます。
2. 鉄不足(熱を運ぶ運搬車がいない)
体(筋肉)で熱を作っても、それを手足の末端まで運ぶ運搬車がなければ、体は温まりません。
その運搬車の役割を担うのが、血液中の「ヘモグロビン」です。
ヘモグロビンは「鉄」を材料にして作られています。
鉄が不足すると、ヘモグロビンが減り、全身に酸素と熱を十分に届けられなくなります。
特に女性は月経で毎月鉄を失うため、慢性的に鉄不足に陥りがちです。
健康診断の血液検査で「貧血」と診断されていなくても、体内に貯蔵されている鉄(フェリチン)が枯渇している「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」の方は非常に多く、これが冷えの大きな原因となっています。
【過去記事】 「隠れ貧血(フェリチン不足)」について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
3. ビタミンB群不足(熱を作る着火剤がない)
私たちが食べたもの(糖質や脂質)は、体内で燃やされて初めて「熱(エネルギー)」に変わります。
この時、食べたものを燃やす着火剤(補酵素)として働くのが「ビタミンB群」です。
特に糖質の代謝にはビタミンB1、脂質の代謝にはビタミンB2が必須です。
ビタミンB群が不足していると、せっかく食べてもエネルギーに変換できず、熱を生み出せません。
「甘いものや白米、パン、麺類が大好き」
「お酒をよく飲む」
という方は、ビタミンB群が代謝のために大量に消費され、常に枯渇している可能性があります。
「腸」を整えないと、すべてが無駄になる?
では、「タンパク質」「鉄」「ビタミンB群」を意識して食べれば良いのかというと、実はもう一つ重要なポイントがあります。
それが「腸」の状態です。
どんなに良い栄養素を摂っても、栄養を吸収する「腸」が荒れていては、体内に取り込むことができません。
例えば、小麦(グルテン)や乳製品(カゼイン)の影響で腸が炎症を起こし、バリア機能が壊れている「リーキーガット(腸漏れ)」の状態では、栄養は吸収されず、むしろ未消化物や毒素が体内に漏れ出してしまいます。
「冷え」は、「血(栄養)」と「腸(吸収)」の両方からアプローチすることが非常に重要なのです。
【過去記事】 「リーキーガット(腸漏れ)」について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
今日からできる「食べる温活」まとめ
ツラい「冷え」は体質だと諦める前に、まずはご自身の「食事」を見直してみませんか?
熱を作る「タンパク質」を毎食摂る (肉・魚・卵・大豆製品)
熱を運ぶ「鉄」を意識する (特に赤身肉、レバー、カツオなど)
熱の着火剤「ビタミンB群」を補う (豚肉、うなぎ、卵、玄米など)
吸収の土台「腸」をいたわる (発酵食品を摂る、加工食品を避ける)
体は、足りない栄養素を「冷え」というサインで教えてくれているのかもしれません。
まずはできることから始めて、内側から熱を生み出せる体づくりを目指しましょう。




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